大量の発汗が起きる多汗症の中には、精神的な部分が要因になっている「精神性発汗」というものがあります。これは、発汗することを、異常に恥ずかしがったり不快に感じていて、それがさらなる発汗を引き起こしてしまうものです。

それと、精神性発汗は脇の永久脱毛がきっかけで起きることもあります。永久脱毛をしたことで、脇の様子がひどく気になるようになってしまい、それが新たな発汗につながっていきます。また、手のひらや足裏に起こる多汗症についても、精神性発汗であることが多いようです。

このように、精神性発汗に分類される多汗症は、精神面への対策も必要です。発汗への羞恥心や恐怖が、さらに発汗を引き起こすという悪循環に陥っているので、精神を安定させるのです。

しかし精神面に働きかける対策は、そう簡単なことではありませんし、時間もかかります。そこで、まずは汗の量を減らすための対策を行って、悪循環から抜け出すことを考えます。

具体的には、精神性発汗の多汗症にはボトックス注射を施すのが良いと言われています。ボトックス注射とは、神経を麻痺させる作用があるボツリヌス菌によって、発汗を抑える治療法です。

発汗を抑える効果は6ヶ月ほどしかもちませんが、その期間中は異常な発汗が起きないので、精神的な対策も効果があるはずです。精神面で落ち着きを取り戻すことで、発汗量も減ってくるので、徐々に症状が改善するはずです。

なお、多汗症に加えてワキガもある場合は、確実に治療効果がある手術療法を用いることも多いようです。いずれにしろ多汗症による発汗への対策は、症状を抑えるための手段も併用するのが効果的です。